世界から集客! JR九州・唐池恒二のお客さまをわくわくさせる発想術
- 作者: 唐池恒二
- 出版社/メーカー: ぱる出版
- 発売日: 2011/02/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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目次で内容を見ると...
プロローグ ーーJR九州の現場で学んだ発想、荒波の乗り越え方ーー
第1章 アジアとの交流こそ九州の元気のもと
第2章 世界のお客さまに楽しんでもらう
わくわく九州ランドへようこそ!
第3章 JR九州が大切にしている3つの約束
「誠実」「成長と進化」「地域貢献」
第4章 安全とサービスを社風へ
第5章 様々な分野でナンバーワンをめざすJR九州ブランド
第6章 九州を元気にする
まちづくりの考え方はこれだ!
第7章 JR九州の次の稼ぎ頭、
成長エンジンを稼得する発想
うーん。こうして目次のタイトルだけ並べてみると、PR本っぽいのだが、内容には、参考になる言葉がいろいろと出てくる。印象に残ったところを抜書きすると...
まずベテランの船長たちからの言葉...
「嵐のときは荒波に対して、船首を真正面に向ければ絶対転覆せずに乗り切ることができる」
これはNHKの番組でも話していた言葉だが、勇気の出る言葉であると同時に、自戒しなければならない言葉。まあ、普通は逃げたくなるので。
次は、こんな言葉...
これからどうなるかわからないと人間は不安になります。今後の予定をきっちり示すことがなによりも大切なのです。組織も一緒です。方向性やビジョンを明確にして社員に示す。
混迷と不安の時代のリーダーの役割ですね。経営者だけでなく、政治家も同じかもしれない。
JR九州の3つの約束の一つ、「誠実」について
「誠実」にはもう一つ、「手間を惜しまない」という意味もあります。手間をかけた仕事はかんらずお客さまから評価され支持されます。手抜きをしたり楽をして稼ごうとしたりせずに、精いっぱい知恵を振り切り、ひたすら汗を流す、そうすれば結果として適正な利潤を手にすることができるのです。
当たり前のことを言っているようだけど、これが結構、難しかったりするんだよな。つい楽をしたくなるけど、それほど現在の消費者は甘くない。で、ユニクロについて
「ユニクロ」が独り勝ちと言われていますが、ユニクロは決して楽をして稼いでいるわけではありません。素材はメーカー以上に研究して「ヒートテック」などメーカーと共同開発、製造する場所も世界中を駆け回って一番技術的に優れ、安くて良いところに発注、並みのメーカーならできないようなことにものすごく手間をかけています。
なるほど。
次にサービスについて
サービスは売上に直結するんです。サービスが悪ければ売上は落ち、サービスレベルが上がれば売上はアップする。このことをしっかり頭に刻んでサービスのレベルアップに取り組んでいます。
だから、社員一人ひとりの言葉遣いにもこだわっているのだという。接客業で言葉はサービスの基本だから。
で、この本は元気なのだが、これは「気」にこだわりがあって、気が集まっているところに人や金が集まってくるという。ということで、気を充満させるポイント...
(1)「動きがあること、それもてきぱきとスピーディに動くことが大事である」
(2)「明るく大きな声」
(3)「お客さまにスキを見せない緊張感」
(4)「つねに貪欲さを忘れないこと」
常に成長しよう、上昇しようという貪欲さが気をもたらすという。
次に経営論と離れるが、「博多まちづくり5つの宣言」...
第1条 創ろう 活気と文化を感じるまち
第2条 活かそう 出会いと希望に満ちたまち
第3条 守ろう やさしさも厳しさもあるまち
第4条 広げよう 緑と青空のつづくまち
第5条 つなごう 九州・アジアそして世界の人と人
どこの街にでもあるようなものともいえるが、ポイントは最後のアジアと世界なのだろうな。特にアジアが博多の繁栄のエンジンになるのだろうなあ。
この何か条というのは、ポイントをまとめて、人心に訴えるのに良いらしく、次に進化していくための3カ条
(1)組織を変える
(2)仕事を変える
(3)新しい市場に参入する
(1)(2)だけでなく、(3)も入ることで、企業は活気づき、進化していくのだろうなあ。守りのために組織をいじり、仕事をいじるのでは、いじいじした会社になってしまう。JR九州では、インドの大手ITベンダーと組んで、企業向け情報システムを開発、アジア各国への進出も視野に入れているという。こういう夢が会社には必要なんだな。
で、成長と進化に向けての注意ポイント。企業には次の3つの分野があるという。
「捨ててはいけないもの」
「引き継がなくてはならないもの」
「やらなくてはいけないもの」
こうした考えのもと、列車本数の削減にも手をつけたという。締めるところは締めているんだな。
そんなこんなで結構、面白い本でした。NHKの「仕事学のすすめ」をまとめた本はどんな感じなのだろう。テレビを見た限りでは、だぶっているところもありそうな気もする。
- 作者: 唐池恒二,野田稔
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2011/12/24
- メディア: ムック
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