全米オープンでマリーがジョコビッチを下し、悲願のグランドスラム・タイトル

全米オープンテニス最終日の10日、男子シングルス決勝でアンディ・マリー(英国)がノバク・ジョコビッチセルビア)を破り、英国男子として76年ぶりの四大大会優勝を遂げた。テニス伝統国の期待を一身に背負っていた25歳が、念願の頂点に立った。「何度も『いつグランドスラムで勝てるんだ?』と言われてきた」と苦しかった胸の内を明かした。2008年の全米以降、四大大会決勝で敗れること4度。周囲の期待が高まるたびにジョコビッチらの厚い壁にはね返された。「安堵(あんど)という言葉が、今の気持ちを表している」と重圧から解放された心境を吐露した。

 フェデラージョコビッチナダルという厚い壁の前に、なかなかグランドスラムのタイトルをとれなかったマリーがついに全米オープンで優勝。しかも、ジョコビッチを破って。ウィンブルドンフェデラーに敗れ、涙に暮れていたときは、このまま潰れてしまうのではないかと心配したが、続くロンドン五輪フェデラーを破って金メダル。そして、この全米オープンジョコビッチを破って優勝。完全に壁を突破したなあ。2012年のテニス・シーズンは前半はフェデラーの復活、後半は名実ともにマリーの4強入りということだろうか。

Coming of Age: The Updated Story of Britain's New Tennis Phenomenon

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