宇田川敬介『2014年、中国は崩壊する』

2014年、中国は崩壊する (扶桑社新書)

2014年、中国は崩壊する (扶桑社新書)

 尖閣問題、反日デモなど最近の中国の動向に関心があり、読んでみたが、うーん、という感じ。2012年4月執筆の本のようだが、中国の大物政治家、薄煕来の失脚について、腹心の王立軍の米国亡命騒動の監督責任をとった結果で、王立軍が米国領事館に走ったのは「下層民衆に疎まれる立場となり、亡命以外に選択肢がなくなったのだ」という解説。欧米のメディアは既に3月末ぐらいから、重慶で英国人が謎の死を遂げ、それが薄煕来解任に絡んでいるのではないかとか、薄煕来の夫人の不正を知ったことが王立軍亡命のきっかけではないか、と報じていた*1。そうした情報はチェックしていなかった様子。
 法務スタッフとして中国に関係した仕事をしていた経験があるそうで、体験談は興味深いが、分析的な面に入ると、薄煕来事件に限らず、「?」という気持ちになってしまう本。

*1:重慶で謎の死を遂げた英国人は英情報会社のコンサルタント薄熙来氏解任スキャンダルに関連? - やぶしらず通信(3月27日) => http://bit.ly/UqDevq