伊奈久喜『外交プロに学ぶ修羅場の交渉術』

外交プロに学ぶ修羅場の交渉術 (新潮新書)

外交プロに学ぶ修羅場の交渉術 (新潮新書)

 外交もビジネスも交渉力が運命を決する。というわけで、この本では、さまざまな外交の実例をもとに交渉のポイントを紹介する。頭の体操みたいなところもあるが、実例も豊富で、さくっと読めてしまう本。政治でもビジネスでもやはり言葉は大切だなあ。
 目次で内容を見ると...

1.交渉人は「べき」を使うなーー北朝鮮を説得するには
2.危機管理の基本は「フルテキスト」ーー菅直人はなぜ批判されたのか
3.「日本線」で問題を整理するーー「角福戦争」はいつまで続いたか
4.たった「一文字」が命とりーー「小泉発言」はなぜ問題になったのか
5.「距離の専制」を利用せよーーなぜホワイトハウスで働きたがるのか
6.たとえ話をうまく使おうーー小沢一郎をどう捉えるか
7.あえて「逆説」を持ち出そうーーアメリカは日本をどう説得したか
8.交渉決裂でも「合意」と言うーー訒小平尖閣問題をどうかわしたか
9.「用心深い楽観論」は万能であるーー専門家は中国をどう見ているか
10.「歳の差」をわきまえて付き合うーーアジア諸国は何歳か
11.時には荒っぽいやり方もーーソ連は会議に何を連れてきたか
12.真理は中間にありーーゴルバチョフは信用できたのか

 このように様々なケーススタディがある。