中空麻奈『ユーロ連鎖不況』

ユーロ連鎖不況 (PHP新書)

ユーロ連鎖不況 (PHP新書)

 このところ、ユーロが気になり、ユーロ絡みの本で、お勉強しようと思いたち、ロベール・ボワイエの『ユーロ危機』の前に読んだ本。関心の中心は、為替の安定の代わりに、国としての金融政策、財政政策の自由を犠牲にしたユーロは存続できるのか、崩壊する可能性があるのかどうか、と言ったところだったのだが、ボワイエの本が構造問題を含めて詳細に分析しているだけに、こちらは、ちょっと物足りなかった。ユーロ問題の入門書的な役割の本に、そこまで期待してはいけないのかもしれないし、ユーロそのものよりも、ギリシャなどの問題を通じて、日本の財政問題を語るというような感じの本だった。
 目次で内容を見ると

第1章 日本国債が暴落する日
第2章 ソブリンリスクって何?
第3章 ユーロ危機は終わっていない!
第4章 信用収縮があなたの資産を奪う!
第5章 財政健全化への地獄の道のり
終 章 子どもたちに誇れる日本を!

 目次からも、ユーロを通じて、日本の財政再建を訴えるといった主張が伝わってくる。

ユーロ危機 〔欧州統合の歴史と政策〕

ユーロ危機 〔欧州統合の歴史と政策〕