ボストン・マラソン爆弾テロ犯を拘束、と警察がツイッターで発表。犯人はチェチェン出身だったとか

マサチューセッツ州のボストン・マラソン爆弾テロ事件で、警察当局は19日夜(日本時間20日午前)、逃亡していたジョハル・ツァルナエフ容疑者(19)の身柄を拘束した。米メディアによれば、容疑者はボストン近郊ウォータータウンの住宅敷地に保管されたボートの中に隠れていたところを、警察が包囲の末、拘束した。死傷者170人以上を出し、米社会を揺るがしたテロは発生から5日目に解決に向かった。

 CNNでアンダーソン・クーバーのボストン・マラソン爆弾テロ事件の現場レポートを見ていたら、ボストン警察が容疑者を拘束したとツイートしたと。警察のツイートが容疑者拘束の第一報...そういう時代なんだなあ。発表はツイッターで。メディアも、一般市民も、ツイッターで同時で知るわけね。実際、ツイッターを見てみると、「Boston Police Dept.」(@Boston_Police)が勝利宣言していました。

CAPTURED!!! The hunt is over. The search is done. The terror is over. And justice has won. Suspect in custody.

 サッカーのゴーーールみたいにビックリマークが3つ付いているところに、「やったぞ!」感が現れています。今回の逮捕劇では警察側にも死傷者が出ていますし、この1日余り、ボストンは公共交通もとめ、完全に都市を封鎖状態にしたうえでの大規模な捕物劇でもありましたし、緊張から解き放たれたのですね。ようやく「The hunt is over」であり、「The terror is over」だったわけです。
 そんなツイッターが流れる中、外出したときにカーラジオでニュースを聞いていたら、某放送局は「米国のメディアによりますと」と逮捕を報じていた。この話、ボストン警察のツイッターを見れば、日本でも確認できるのに...。メディアの報道よりも、地元警察のツイッターのほうが一次情報だと思うけど。
 そんなこんなで、ボストン警察は時々刻々とツイートしているようです。以下がURL。ツイッターの認証済みチェックマークもついた公式サイトです。
・ボストン警察のツイッター => https://twitter.com/Boston_Police
 さて、爆弾テロ犯(容疑者)はチェチェン出身の兄弟だったとか。チェチェンはロシアと抗争の歴史があり、ロシアでのテロ事件はよくあったけど、なぜ米国だったのだろう。兄は警察との銃撃戦で死んだが、弟は生きて捕まったので、どのような理由だったのか、解明できるのだろうか。
 そしてチェチェンというと、まず思い出すのは、勇敢なロシア人ジャーナリストのこのレポートです。

チェチェン やめられない戦争

チェチェン やめられない戦争

 アンナ・ポリトコフスカヤの「チェチェン やめらない戦争」。ロシアのチェチェンでの暴虐を告発した、心に響くルポでした。そして、彼女もロシアで(ロシアに?)暗殺されてしまう。流血の連鎖はいまだ止まらないのだなあ。しかし、チェチェンから米国に逃れた人たちは、この若者たちの犯行で、ロシアがチェチェン戦争で展開した「チェチェン=テロリスト」キャンペーンが米国でも広がることを恐れているだろうなあ。そして、この兄弟と、この兄弟がもたらしたチェチェンに対する悪意に怒りを感じてもいるだろうなあ。
【やぶしらず通信・関連ログ】
アンナ・ポリトコフスカヤ「チェチェン やめられない戦争」を読む - やぶしらず通信 yabuDK note