坂口安吾『安吾の新日本地理06 長崎チャンポン』

 昭和26年の文藝春秋に掲載された坂口安吾の紀行エッセイ。原爆が投下された長崎を訪ねたレポート。安吾島原の乱の取材のために昭和16年にも長崎を訪れており、10年ぶりの再訪。浦上を舞台に隠れ切支丹と原爆の惨禍を語り、さらに長崎チャンポンをもとに食を通じて人間のたくましさ、生活力を描く。「長崎チャンポン」と安吾の取り合わせに惹かれて読んだのが、他の新日本地理ルポも読んでみたくなる。