ユメ十夜

ユメ十夜 [DVD]

　夏目漱石の『夢十夜』を原作に、11人の監督が10作品をつくったオムニバス映画。それぞれの個性が出ていて、面白い。印象に残ったのは...
　まず、堀部圭亮、香椎由宇主演、清水崇監督の「第三夜」。怖い。そう思ったら、清水崇は「呪怨」をつくった人だった。
　面白かったのは、阿部サダヲ、TOZAWA主演、松尾スズキ監督の「第六夜」。TOZAWAのダンスがすごい。ファンキーで、ユーモラス。これは松尾スズキの個性か。「あまちゃん」にも出ている伊勢志摩も出ていた。大人計画の個性かもしれない。
　そして、松山ケンイチ、本上まなみ主演、山口雄大監督の「第十夜」。こちらはシュールなコミック調の世界。グロなところもあるけど、テンポもいいし、楽しい。石坂浩二や安田大サーカスも出ていた。
　女優としては、西川美和監督の「第九夜」に出ていた緒川たまきが印象に残る。日本的な美人。こちらは、これまた「あまちゃん」の梅頭さんこと、ピエール瀧が共演だった。ちなみに「第一夜」の主演は小泉今日子。
　ともあれ、映画作家、それぞれの個性が楽しめる一作。そして、見終わると、夏目漱石の原作を読んでみたくなる。

夢十夜 他二篇 (岩波文庫)