石井光太「『遺体』それからの物語」

『遺体』それからの物語―新潮45eBooklet

『遺体』それからの物語―新潮45eBooklet

 東日本大震災で遺体安置所となった旧・釜石市立二中をめぐる人々をレポートした『遺体』の後日談。取材から2年、当時は遺体を収容し、安置し、遺族の悲しみや怒りに寄り添い、火葬場へ送った人々の物語だったが、今度は遺族に取材している。「復興」という言葉にしても、直接、被災した人と、そうでないひと、被災した人でも家族や大切な人を失った人と、そうでない人で大きな違いがある。また、生き残った人は生き残った人で、心に傷を負っている。静かだが、というか、静かに語られるから、心に響き、考えさせられる本。
遺体―震災、津波の果てに―

遺体―震災、津波の果てに―