9.11のあと、
ビン・ラディンを追跡、発見、そして殺害に至るまでの物語。9.11以降、ロンドンでのバス爆破事件や
パキスタンの高級ホテル爆破事件とテロの時代が続いたこともあるが、追跡する米国側も、拷問に始まり、盗聴、衛星による監視、そして
アフガニスタンから
パキスタンへの越境夜襲と
ビン・ラディン抹殺のために手段を選ばない。主人公は、
ビン・ラディン追跡に取り憑かれたようになる女性のCIA局員だが、どこまでが実話で、どこからが創作なのだろう。拷問まで描いているところがリアル。ただ、
ビン・ラディンを殺害し、復讐に成功しても、それで憎しみの連鎖が終わるわけでもない。もはや、騎兵隊が "悪いインディアン" を殺して
快哉を叫ぶような古典的なハリウッド西部劇のような時代でもなく、結末には、どこか空虚なムードが漂う。失われたものは戻ってこない。