ブラジル・ワールドカップ間近、「ブラジル」で連想する映画というと...

 もうすぐブラジル・ワールドカップ。会場の準備ができていないとか、サッカー(FIFA)利権に群がり社会資本の充実をなおざりにしている政府に抗議するストが頻発しているとか、都市では犯罪が多発しサポーターにとっては最も過酷な大会になるとか、サッカー以外の話題も花盛りだが、「ブラジル」ということで、思い出す映画を挙げてみると、まず思い起こすのは...。

 リオデジャネイロのスラムを舞台にした群像劇「シティ・オブ・ゴッド」。ある種、ブラジルの都市のイメージを創った映画かもしれないし、過酷な現実は映画が製作されてから10年以上たった今も変わらないのかもしれない。
 そして、こんな映画...
セントラル・ステーション [DVD]

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 こちらも舞台はリオデジャネイロ。過酷な現実の中での人のやさしさが描かれている。「シティ・オブ・ゴッド」よりも「セントラル・ステーション」のほうが古い映画だったのだな。反対かと思った。
 アクション映画では、こんなものも。
エリート・スクワッド [DVD]

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 こちらも舞台はリオデジャネイロ。犯罪を鎮圧する特殊警察作戦大隊が主人公で、続編もある。この映画を撮ったジョゼ・バジーリャ監督はハリウッドに招かれて、2014年版の「ロボコップ」を撮っている。格差社会が広がって、世界がリオ化しているんだろうか。
 かつて、フランスでヌーベルヴァーグ、米国でアメリカン・ニューシネマ、英国でフリー・シネマといわれる新しい映画の波が巻き起こった時代、ブラジルの映画の新潮流は「シネマ・ヌーヴォ」といわれた。そのなかの一作。
アントニオ・ダス・モルテス [DVD]

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 ちょっとイタリアのマカロニ・ウェスタンのテイストをブラジルの風土に持ち込んでいる感じもした一作。荒々しいブラジルです。
 で、ブラジルと米国の合作映画では、こんな作品も。
蜘蛛女のキス スペシャル・エディション (2枚組) [DVD]

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 監督はブラジル人で、ヒロインもブラジル人女優のソニア・ブラガだったが、ウィリアム・ハートラウル・ジュリアの印象が強いから、ハリウッドのアート映画みたいな印象だった。
 最後に、ブラジルには日系人が多いが、その人々を主人公にした作品。
汚れた心【通常版】 [DVD]

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 第二次大戦の戦場から遠く離れたブラジルでは、日本が戦争に勝ったと信じる「勝ち組」と、敗戦の現実を認める「負け組」との抗争があった。同胞同士が殺しあう悲惨な歴史を描いた映画で、伊原剛志常盤貴子といった日本人俳優が出演、監督はビセンテ・アモリン。