ワールドカップ準決勝。アルゼンチンがPK戦の末、オランダをくだす。決勝を盛り上げるためには良い結果

9日(現地時間)に行われたワールドカップ(W杯)準決勝、オランダ対アルゼンチンの一戦は、120分間を0−0で終え、PK戦の末にアルゼンチンが勝利した。24年ぶりの決勝進出となるアルゼンチンは、13日のファイナルでドイツと対戦する。

 アルゼンチンとオランダ。勝ちにこだわる老獪なチーム同士の対決だから、守備から入ると思ったら、その通り、メッシも、ロッベンも、ファン・ペルシーも堅い守備を破ることができず、0−0のまま、延長戦に入り、そこでも決着がつかず、PK戦へ。アルゼンチン相手では、ファン・ハール監督も奇策を用いることなく、キーパーはシレッセンのまま。シレッセン、試合では落ち着いているし、好セーブをしていたが、ゴールポストの前に立つと、小さく見え、威圧感がない。アルゼンチン戦で交代カードをすべて使ってしまったためだが、コスタリカ戦でクルルを起用したのもわかる。ともあれ、そんなこんなでアルゼンチンがPK戦を制し、決勝はドイツ対アルゼンチンに。今日は、メッシよりもマスチェラーノのほうが目立っていた。献身的に守り、攻撃への起点もつくっていた。いい選手だなあ。そして思った以上に、アルゼンチンの守備陣は強いなあ。決勝が楽しみ。オランダではカイトの奮闘ぶりが記憶に残る。
 この準決勝、見始めた時は、オランダを応援していたのだが、試合を見ているうちに、決勝戦はドイツ対アルゼンチンのほうが魅力的だなあと思ってしまう。勝ちにこだわるのはわかるのだが、どうも面白くない。カウンターがはまれば、スペインを粉砕したようにオランダも華やかな攻撃を見せてくれるのだろうが、勝負にこだわると、どうも...。ファン・ペルシー、スナイデルロッベン、カイトと好きな選手は多いんだが...。
 オランダ・サッカーのレジェンドとも言えるクライフが今大会ではドイツを推していたのもわかる。ファン・ハールは「美しいサッカー」よりも「勝つサッカー」の人だから、クライフとの不仲は有名らしいが、見ていると、今回のオランダチーム、強さと同時に、クライフが嫌うのも、ちょっとわかる。特に負けることが許されない決勝トーナメントに入ってからは、勝ちへのこだわりばかりを感じることが多くなった。それがまた面白かったりもするのだが、鼻についたりもする。
 この人がマンチェスター・ユナイテッドに行くと、どうなるのだろう。きっと強くなるのだろうが、エキサイティングなサッカーになるのかどうか...。今は何よりも勝利に飢えているのだろうが、それだけでオールドトラッフォードのサポーターは満足するのかどうか。チェルシーにこだわるモウリーニョに、ファン・ハールマンUが参戦し、プレミアリーグは勝ちにこだわる監督だらけになるのかな。アンチェロッティレアル・マドリードシメオネアトレティコ・マドリードも勝ちにこだわるが、リーガ・エスパニューラは正攻法で勝利への道を邁進するし、やはり「美しさ」も感じる。グアルディオラバイエルン・ミュンヘンとクロップのドルトムントが引っ張るブンデスリーガはいま最も創造性に満ちた活気のあるリーグに見える。フランスもいい選手をとってきているし、他リーグに比べてプレミアリーグ、つまらなくなってしまわないかな。そして香川はどの道を選択するのだろう。残るのか、新天地か。
メッシとマスチェラーノ、対照的な2つの才能が導いたアルゼンチン代表の決勝進出 − サッカーキング
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