安倍首相が米国議会で演説するというので、どんな外国人指導者が演説したか、調べてみると...
訪米中の安倍さん、タイミングが良かったのか、悪かったのか、米国メディアは世界でいえば、ネパールの大地震*1、米国内でいえば、警察で黒人青年が死亡したことをきっかけとしたボルティモアの暴動*2など内外ともにビッグニュースがあって、安倍訪米は霞んでいる様子。下手に米国で注目されるよりも、日本国内だけ報道してくれればいいのか、そのあたりが安倍首相にとって良いことか、悪いことか、よくわからないけど、29日には、米国上下両院合同会議で演説。昭和天皇の誕生日を狙っていたんだろうか。このあたり、米国は知っているのか、知らないのか。
ま、それはそれとして、米国上下両院合同会議での演説って、他の国では、どんな人がしているのか、気になって、調べたみたら、米国議会のウェブページにリストがあった。
★ Joint Meeting & Joint Sessions Addresses Before Congress by Foreign Leaders & Dignitaries | US House of Representatives: History, Art & Archives
最近では、オバマ批判を展開したとかどうとかで注目されていたイスラエルのネタニヤフ首相の演説が最新かと思っていたら、その後の5月25日に、アフガニスタンのアシュラフ・ガニー大統領が演説していた。結構、演説している人が多いんだ。で、ネタニヤフ首相は今年だけなく、2011年、1996 年にも登場していた。ユダヤ・ロビー強し、かな。韓国も議会演説の常連で、2011年に李明博大統領、2013年に朴槿恵大統領が演説している。古くは1998年に金大中、95年に金泳三、89年には盧泰愚、54年には李承晩大統領も壇上に立っている。朝鮮戦争をともに戦った国だし、ロビー活動も強いのかな。
この両国に象徴されているように、リストを見ていると、米国の同盟国、そして議会に対するロビー活動の強そうな国が演説しているようにみえる。ドイツは西ドイツの時代から首相や大統領が演説している。このあたり欧州との絆の深さか。米国にはドイツ系の移民も多いというし...。日本が演説していなかったのが不思議だなあ。もともと演説は苦手な国だし、英語で話すのが嫌だったのだろうか。
この演説リスト、ウィンストン・チャーチル(英国)、ネルソン・マンデラ(南アフリカ)、リー・クアンユー(シンガポール)、ヴァーツラフ・ハベル(チェコスロバキア=当時)、レフ・ワレサ(ポーランド)などといった名前を見ていると、歴史に名を残す偉人、賢人たちの仲間入りかと思うが、イラクのマリキ首相、フィリピンのマルコス大統領、南ベトナムのゴ・ディン・ジエム大統領の名前を見ると、米国のポチ(プードル)みたいな印象が...。演説はご褒美? それとも、議会で感謝の言葉を言え、と?。議会演説の栄誉を与えられても、米国の思惑を逸脱すれば、ゴ・ディン・ジエムのようにCIAの支援を受けたクーデターで殺されてしまう政治家も出てくる。三国志のようです...。
議会では、世界の王族たちも演説している。英国のエリザベス女王、スペインのカルロス国王、オランダのベアトリクス女王、タイのプミポン・アドゥンヤデート国王といった名前を見ていると、日本も天皇陛下が演説するほうが座りがいいような...。ちなみに、この上下両院合同会議リストで最も古いのは、1874年、ハワイのカラカウア国王を歓迎したものだった。
- 作者: ジョン・J・ミアシャイマー,スティーヴン・M・ウォルト,副島隆彦
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/09/05
- メディア: 単行本
- 購入: 5人 クリック: 79回
- この商品を含むブログ (23件) を見る