日垣隆『知的ストレッチ入門』

知的ストレッチ入門―すいすい読める書けるアイデアが出る

知的ストレッチ入門―すいすい読める書けるアイデアが出る

 日垣隆版の「知的生産の技術」。梅棹忠夫『知的生産の技術』、渡部昇一『知的生活の方法』、板坂元『考える技術・書く技術』、立花隆『「知」のソフトウエア』、山根一眞『スパー書斎の仕事術』などの伝統を踏まえながら、さらに発展させて、現代の日垣流「知的生産の技術」となっていて面白く、参考になった。2006年出版の本なので、インターネットについてはブログを中心に語られているが、その後、YouTubeTwitterFacebookなどが急拡大してきており、このあたりは増補が必要になってきているかもしれない。
 目次で内容をみると...

序 章 知的ストレッチとは
第1章 読むーーストレッチ読書術
第2章 構えるーーストレッチ書斎術
第3章 考えるーーストレッチ検証術
第4章 創るーーストレッチ仕事術
第5章 書くーーストレッチ文章術
第6章 疑うーーストレッチ回避術
第7章 決めるーーストレッチ決断術

 で、関心を持ったところをいくつ拾うと...
 まず、知的ストレッチの基本3原則

1.インプットは必ずアウトプットを前提にする
2.うまくいった諸先輩の方法をどんどん採り入れる
3.おのれを知る

 この「アウトプットを前提にする」というのは再三登場する大原則。資料を取っておく捨てるかの判断も「アウトプットするかどうか」の1点としている。情報収集のための収集、情報整理のための整理にならないように、と、いましめる。確かにスクラップにしても何にしても、それ自体が目的化することはよくある。
 次は、読書の際の付箋の貼り方

1.著者の主張に沿って「おもしろい」と思った箇所.......本の角を小さく折る
2.こちらの関心に沿って「使える」と思った箇所......上部に付箋
3.そこに紹介されている文献を手に入れようと思った箇所.......横に付箋

 10段ぐらいある引き出しにメモを整理する際にインデックスのつけ方は...

 「企画メモ」「外出時」「領収書」「引継ぎ」「よく考えてみよう」「捨てがたし」「保証書/取説書」「電子辞書」「文具類」「注文予定」「名刺」「地図/お店」「あとで読む」「ネタ」

 これも使えそう。プロの仕事について「仕事と趣味が何が違うかと言えば、依頼と締め切りがあるかどうでしょう」というのは、よくある定義だが、これに続けて、どれだけ仕事をフィニッシュさせるか、「完」のつく仕事が実力を創るというが、これはわかるなあ。
 最後に、この本の特徴の一つは、筆者が使っているツールについて具体的な製品名も紹介していること。で、こちらで興味を持ったのは付箋。これは「ポスト・イット スリム見出し 715RP-K」

ポスト・イット 見出し 25x7.5mm 100枚x混色10個 715RP-K

ポスト・イット 見出し 25x7.5mm 100枚x混色10個 715RP-K

 で、手帳は高橋書店の「リシェル3」、平日重視タイプのバーティカルだった。このあたりの好みは同じだなあ((A6手帳の見開き1週間バーティカルならば、高橋書店の「リシェル」でしょう - やぶしらず通信 - http://t.co/TwOcn8O))
2011年版 No.213 リシェル 3(手帳)

2011年版 No.213 リシェル 3(手帳)