栄光のル・マン

栄光のル・マン [DVD]

栄光のル・マン [DVD]

 NHK-BShiがスティーブ・マックイーンの特集を組んでいて、今夜は「栄光のル・マン」を放映していた。レース映画の最高峰じゃなかろうか。純粋にレースとクルマを追った、こだわりの映画。「白い恋人たち」的なドキュメンタリー風でもあり、極端に台詞が少ない。そこがマックイーンに合っていたりするのだが。ポルシェとフェリラーりの死闘とか、このころが自動車の黄金時代だったのかも。
 このほかのレース映画で印象に残っているところというと、古典ともいえる「グラン・プリ」(ホンダのF1優勝がモデルになっている映画だけど、DVDは出ていないような...)、最近の映画ではシルベスター・スタローンの「ドリヴン」あたりだろうか。ポール・ニューマンの「レーサー」とか、トム・クルーズの「デイズ・オブ・サンダー」なんていうのもあったなあ。
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ヴィクトル・ザスラフスキー『カチンの森』

カチンの森――ポーランド指導階級の抹殺

カチンの森――ポーランド指導階級の抹殺

 第二次大戦中、ソ連ポーランドで犯した大量虐殺事件の記録。その犯罪自体もおぞましいが、さらに恐ろしいのはソ連が、この事実を歴史から抹殺しようとし、米英を中心とした西側諸国もその隠蔽に力を貸したこと。国際政治から見れば、ポーランドの問題でソ連と事を荒立てるなど意味がないという現実政治の判断が真相を闇に葬ろうとする動きを手助けした。実態が明らかになるまでには、ソ連が崩壊するのを待たなければならなかった。既に処刑された人々の書類は、ソ連政府が証拠隠滅のために破棄しており、どのような形で処刑されていったのか、その具体的な内容はこの本にもない。歴史を改竄しようとする国家の恐ろしさと小国の悲哀を感じる。
 本書の序論によると、カチンの虐殺とは...

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酔って転落? 民主党、こんなことばかり話題になるようでは...

民主党三宅雪子衆院議員(45)が2日午前2時ごろ、東京都港区白金の自宅マンション4階のベランダから転落し、腰の骨を折る重傷を負っていたことが2日、警視庁高輪署などへの取材で分かった。命に別条はないという。同署などによると、三宅氏は当時、酒を飲んでいたが、携帯電話を取ろうとした際にバランスを崩して転落し、自ら119番通報したという。転落直前、自身のミニブログツイッター」に「寝付きが悪く、一旦起床。しっかりと体調管理をしなければ」などと書き込んでいた。

 事故でかわいそうなのかもしれないが、しかし、やはり、ろくでもない話だなあ...。外交も経済も上手くいっているとは、とてもいえない厳しい状況なのに、何だか軽い。秘書との色恋沙汰が週刊誌の話題になったり、酔っ払って転落などという話ばかり出てくるようでは、民主党という組織自体が弛緩しているのではないかと思われてしまうよなあ。権力を託されたという覚悟がないのだろうか。自分たちが「体制」となったという意識もなく、いつまでも反体制・評論家・野党気分で地に足がついていないんじゃないか、とか思ってしまうなあ、こんな変な事件ばかり続くと。

NHK記者、家宅捜索情報漏洩事件、停職3カ月。ずいぶん軽い処分だなあ

大相撲の野球賭博事件をめぐる警視庁の家宅捜索情報をNHK報道局スポーツ部の男性記者(31)がメールで親方の1人に漏らしていた問題で、NHKの福地茂雄会長は2日会見し、この記者を9日付で停職3カ月の懲戒処分にすると発表した。停職3カ月は諭旨免職に次ぐ処分。福地会長は「公共報道に対する信頼を著しく傷つけた許し難い行為」と断じる一方で、「犯人の隠匿や証拠の隠滅などの意図はなかった」と述べた。

 家宅捜索情報を捜査対象の当事者に知らせて、それで停職3カ月。テレビの報道記者って、そんなもんなのだろうか。ずいぶん軽い処分。軽くて諭旨免職かと思っていた。停職3カ月が終わって、そのまま報道現場に残す気なのだろうか。「意図」がどうのこうの言う以前に、行動の責任を問われて、しかるべきだと思うけど。意図を言い出したら、どうにでもなってしまう。捜査対象者に家宅捜索の情報を知らせることが証拠隠滅につながるということもわからない人が記者をしているということなのか。それとも、スポーツ記者ってその程度の連中で、報道じゃないという認識なんだろうか。それもスポーツ記者をバカにした話だと思うけど。
 政府も官僚も警察もグジャグジャだが、メディアも壊れてしまっている。NHKの経営陣や報道幹部には、これがNHK自体のブランドの問題であり、メディアの信用に関する重大問題だという意識はないのだろうか。この事件が発覚した時の記者会見記事を読んでいると、最初からなかったような気もするが...。NHKの報道部門って、この程度のものなんだろうのか。まあ、報道といっても、もともと、そんなに上品な商売じゃないんだから、記者はネタを取るためなら何でもあり、なのかもしれない。だとしても、今回のようなことは禁じ手中の禁じ手だし、バレたらアウト、即退場でしょう。
【追記】
 産経新聞によると

大相撲の野球賭博事件をめぐり、NHK記者が警視庁による家宅捜索の情報を時津風親方(元幕内時津海)にメールで知らせていた問題で、NHKは2日、報道局スポーツ部の男性記者(31)を9日付で停職3カ月の懲戒処分にすると発表した。記者職からも外すという。

 記者職から外す、という常識は働いていたんだ。ほとぼりが冷めたら...などということはないと思うけど。でも、スポーツ・ドキュメントのプロデューサーなどということはあるのだろうか。それも取材に変わりがないが。やはり、NHKを離れて出直すのが筋のような気がするけど...。どうしても、この人をかばいたい事情がNHKにあるのだろうか。自らの責任を個人として引き受けずに組織の責任に転嫁するのはジャーナリストらしくないけど、NHKの報道文化って、こういう感じなんだろうか。本音では、個人としても組織としても、そんなに悪いことと思っていないのか。それとも、ジャーナリストに対する期待が高過ぎるのだろうか。
NHK――問われる公共放送 (岩波新書) 検証 日本の組織ジャーナリズム―NHKと朝日新聞 NHK問題 (ちくま新書)