「NHKに言いたい」では言い切れない?

 不祥事相次ぐNHK自己批判・反省番組「NHKに言いたい」。2時間を超える生番組(コストは安い?)で、海老沢会長が辞意を表明するという噂が事前に流れていた。しかし、現実は謝りこそすれ、辞任の意思表明はなかった。むしろ、来年に向けて、視聴者の声をもっと聞き、NHK改革の責任を果たします、という感じ。
 出演者は、現場派、企業経営派、労働組合系、みんなNHK批判を展開するのだが、微妙に視点が違うところが、この問題の根の深さというか、広さを象徴している。まあ、大衆的メディアだけに文句をつけようと思えば、いくらでもつけられるという面もあるけど。番組を見ていて、面白かったのは(といっては不謹慎かもしれないが)、海老沢会長ら現経営陣だけではなく、経営委員会も無能・無策ぶりを厳しく追及されたこと。この組織にガバナンスがないことが露呈してしまった。要するに、あれだけの巨大組織なのに、マネジメントのシステムがない。国立大学の組織体に似ているのかもしれない。問題の根は深い。政治の介入は困りものなのは当然で、独立性は必要なのだが、「独立性」を錦の御旗に、自己規律、コンプライアンスの仕組みがないのでは、組織は運営できないよなあ。
 ともあれ、これで、どうなるんでしょう。事態はますます混沌としてくるだけのように思えるけど。これで受信料不払いに歯止めがかかるとは思えないし、NHKの職員は視聴料不払いの世帯回りに行かされているというけど、これでは現場は持たないだろうなあ。どうするのだろう。