SAW/ソウ

SAW ソウ DTSエディション [DVD]

SAW ソウ DTSエディション [DVD]

 映画館で見た予告編が、ものすごく怖かったので、気になっていた。近くのレンタルビデオ屋さんに行ったら、ちょうど1本残っていたので、迷わず借りてくる。で、見てますと、「メメント」のような斬新なサスペンスを想像していたら、どちらかというと、ミステリーにスプラッターを加えたようなB級映画だった。監禁された部屋の場面はそうでもないのだが、それ以外の屋内シーンのライティングが微妙にB級で、昔の映画のようなカメラで、このあたりがちょっとプアな印象を与える。加えて、あれっと思ったのは、予告編を見て、2人だけの密室映画かと思っていたら、過去と現在を縦横に行き交う映画だった(このあたり、予告編のつくりが上手いんだなあ)。「リーサル・ウェポン」のダニー・グローバーが刑事役で出てきてしまったりする。
 この映画、独創的というよりも、いくつかの映画のミックスという感じがする。基調に流れる雰囲気は、「ユージュアル・サスペクツ」。ラストに、それまでの伏線となる台詞を重ね合わせていくところなど、何かに似たムードだと思って、考えたら、「ユージュアル」だった。このほかも、微妙に「セブン」風であったり、「セル」風であったり、「夕暮れにベルが鳴る」風だったり、足かせを抜けるところも手錠で似たような行動を取る映画かテレビドラマがあった記憶がある。一種のオマージュの映画なんだろうか。「SAW」の監督、脚本家は映画が好きなんだろうなあ。だけど、ちと血が多すぎる。
 で、最後に本当に印象だけど、シン刑事役のKen Leungは、どこか「無意味良品」の政に似ていた。それと、もっと予算があったら、主演のケイリー・エルウェズの役は、ティム・ロビンスあたりにしたかったのかな、と思ってしまった。いや、本当に印象ですが。