デビッド・アレン「ストレスフリーの仕事術」

ストレスフリーの仕事術―仕事と人生をコントロールする52の法則

ストレスフリーの仕事術―仕事と人生をコントロールする52の法則

 LifeHacks系のバイブルと化している「仕事を成し遂げる技術」(原題は「Getting Things DONE」。略して「GTD」)を書いたデビッド・アレンの第2弾。個人的には、この「仕事術」のほうがわかりやすかった。誰の心にも(頭にも?)「夢想家」と「実行家(実務家)?」がいるが、「実行力のないビジョナリスト」にも「ビジョンのない実務家」にもならないためのノウハウが、このGTDなのだとわかる。最初に「仕事を成し遂げる技術」を読んだときは、何となくピンと来ないところがあったのだが、改めて、この「仕事術」を読んでいて思ったのは、これまでの、この手の本は、京大カード、5×3カード、ファイロファクス、山根式封筒ファイル、超整理手帳など道具(形)から入るモノが多かったため、道具に言及しないことに違和感を持ってしまったのだと思った。アレンの方法論は、監訳者の田口元氏が書いているように、

GTDの良い点は、それが「うまく行く考え方」であって、「ツールは何でもいい」という点である。

 なるほど。道具は自分流でいいというわけ。考え方としては、マインドマップも、畑村洋太郎氏が提唱する「思考展開図」も同じようなところがある。行き着くところは同じなのだな。自由にアイデアを集め、あとで必ず整理することが大切。アレンは

 アイディアを書き留めるときはあくまで自由に、そして時間をおいてからそれらを処理しよう。(中略)生み出されたアイディアは時間をおいて処理され、必要ならば、次のアクションを割り当てられていく。私は書き留めたアイディアを処理し、コンピュータに打ち込んでいく作業が好きだ。

このあたり、畑村氏の「思いつき手帳」「思考平面図」「思考展開図」といった流れを思い起こさせる。田口氏の日本語版解説「GTDとは何だろう?」、あとがき「自分だけのGTDを創り出そう!」も参考になった。