山田太郎「日本製造業の次世代戦略」
- 作者: 山田太郎
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2007/02/01
- メディア: 単行本
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もう一つ、この本で参考になったのは、今の世界景気を支えているのは、BRICsをはじめとした新興成長国の購買力の向上ということ。日本は、世界で一番うるさい消費者を相手に、高性能・多機能の製品を作り、それを先進国に売るのを得意としてきたけど、今度はリーズナブルな価格で、リーズナブルの機能の製品が求められている。高コスト構造に対応して、高付加価値化(高額化)したい日本の企業には、機能はほどほどで、ほどほどの価格の「良い製品」が欲しい新興成長国の消費者への対応はつらいし、得意でもない。日本の消費者にそうした製品がどれだけ通じるかも分からないし、国内ニーズと海外ニーズが分離していってしまうリスクもある。サムソンにかなわないはずだなあ。携帯電話を見ていても、わかる。日本は超多機能、海外はデザインは洗練されているが、機能はさっぱりしている。自動車だって、インドでは3000ドル・カーなんて言う話も出始めているし。
コンサルティングの広報も兼ねての本という気もするが、これからの製造業を考えていく上で参考になった。