映画監督、アンソニー・ミンゲラが死去

映画「イングリッシュ・ペイシェント」(1996年)でアカデミー賞監督賞を受賞した英国人映画監督、アンソニー・ミンゲラ氏が18日、ロンドンの病院で死去した。54歳。同氏の代理人が明らかにした。代理人によると、ミンゲラ氏は先週、へんとう腺と首にできたがんの手術を受けており、手術は成功したものの、その後起きた出血を止めることができなかった。

イングリッシュ・ペイシェント [DVD] リプリー [DVD] コールドマウンテン [DVD] ミンゲラと言えば、やはり「イングリッシュ・ペイシェント」。格調高いメロドラマだった。映像も音楽も美しく、レイフ・ファインズも、クリスティン・スコット・トーマスも、ジュリエット・ビノシュも、ウィレム・デフォーも、コリン・ファースも、いまや「LOST」のサイードといったほうが通りがいいナヴィーン・アンドリュースも、みんな良かった。美しい映画だった。しかし、その後は、もうひとつ、これといった題材に出会わなかった感じがする。「リプリー」は「太陽がいっぱい」のリメイクで、マット・デイモンアラン・ドロンを超えられず、ミンゲラもルネ・クレマンを超えることはできなかった。「コールド・マウンテン」も文学巨編といった感じだったが、もうひとつ冴えなかった。米国人を主人公にしたものよりも、欧州の人間を対象にしたほうが良い映画になる。欧州的体質の人だったのかもしれない。
【参考】ウィキノミクスによると「アンソニー・ミンゲラ」は
 wikipedia:アンソニー・ミンゲラ