円買いの季節ーーこれって、ちょっとアリとキリギリス?

 この金融危機の中で、相対的に傷ついていないのは日本。で、対ユーロでは

23日午後の東京外国為替市場で、円は対ユーロで一段高。12時50分ごろに1ユーロ=123円77銭程度と、2002年12月以来の高値を付けた。世界的な株安や景気悪化で投資家のリスク許容度が低下するとの見方から、低金利の円を借りて高金利通貨で運用する「円キャリー取引」の解消が続いている。

 基軸通貨の王座は、ドルの次はユーロと思われていたけど、欧州の金融機関も結構、傷ついていたからなあ。で、米国の方も・・・

23日午後の東京外国為替市場で、円相場は上げ幅を拡大。12時50分過ぎに一時1ドル=96円88銭程度と、3月18日以来ほぼ7カ月ぶりの高値を付けた。世界的な株安や景気悪化懸念で投資家のリスク許容度が低下し、欧州や資源国通貨に対する円買いにつれてドルに対しても円が上昇している。

 ということで、円の独歩高の様相。1年前には考えられなかったけど。日本の銀行は、デリバティブなど金融の先端的な業務に出遅れ、国民は投資よりも貯蓄を好む。一方で、米国も欧州も金融機関はデリバティブなど金融工学に踊った。欧米は金余りという金融の夏に歌って踊ったキリギリスで、日本はしこしこと稼ぐアリみたい。厳冬の時代が予感される中で、アリの時代が来たのかも。でも、アリさんはキリギリスさんたちにモノを売って儲けてきただけに、株式市場は企業業績の悪化を嫌気して、暴落気味。今日は8000円割れ寸前まで行った。金融による信用創造で消費を想像してきたキリギリスさんたちは、金融が冬になれば、当分、遊ぶことはできない。となると、冬の時代には、アリさんが消費することが大切なんだろうなあ。相対的に見れば、アリさんはまだ消費する力を持っているから。