シッコ
- 出版社/メーカー: ギャガ・コミュニケーションズ
- 発売日: 2008/04/04
- メディア: DVD
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ロバート・ライシュの「暴走する資本主義」でも、ポール・クルーグマンの「格差はつくられた」でも、米国の医療保険制度の問題は指摘されているが、現実の映像を見せられると、問題の深刻さと悲惨さを痛感する。ここへきての金融不安は、米国に始まった「資本主義の暴走」の終着点でもあるわけで、政治経済システムの改革は不可欠なのだな。ニュー・ニューディールの時代にあるんだと思う。時代がオバマを呼んでいるのかもしれない。オバマがFDRのように新政策を打ち出せるかどうかは未知数だが、FDRの周辺に「ブレーントラスト」といわれた知識集団が形成されたように、オバマも、そうした集団を形成する可能性を感じる。
マケインの欠点はそうした知的集団の香りがしないことだなあ。マケインの経済顧問として名前が出てくるのは、元ヒューレット・パッカードCEOのカーリー・フィオリーナと元イーベイCEOのメグ・ホイットマン。メグ・ホイットマンは経営者としての評価は高かったが、フィオリーナは毀誉褒貶が激しく、どちらかというと、大企業経営者タイプで、シリコンバレーの嫌われ者という印象がある。ちょっとねえ。経営の効率性には強そうだが、金融とか、経済という、より広い視野と歴史観が求められる仕事には向いていない感じが。
マイケル・ムーアらしく、ちょっと大げさで、くどくて、ちょっと誇張が入っている感じもするけど、問題点を指摘し、啓蒙するという点では意義のある映画。それに面白いし。ドキュメンタリーでありながら、エンターテインメントになっている。ジャーナリズムにも。
【参考】
・オフィシャルサイト
http://sicko.gyao.jp/
・wikipediaで見ると
wikipedia:シッコ