谷川俊太郎、荒木経惟「写真ノ中ノ空」

写真ノ中ノ空

写真ノ中ノ空

 谷川俊太郎の詩とアラーキーの写真ノコラボレーション。谷川の詩がいいが、アラーキーの後書きが胸を打つ。

陽子(荒木夫人)が逝って空ばかり写していた。モノクロームの空の写真に、一周忌の写真展に、カラーインキで着色した。静かな夕焼けを写しながら、陽子を想った。

 そうか、この写真集の空は、そうして撮ったものだったのか。モノクロの写真に混じって着色した面白い写真があったのだが、あれは一周忌に生まれたのか。空の写真、荒木夫人への鎮魂歌でもあったんだなあ。