吉越浩一郎「仕事が速くなるプロの整理術」

プロの整理術

プロの整理術

 トリンプの元社長で、早朝会議、デッドライン管理、ノー残業などの経営手法で知られる吉越浩一郎氏の整理術論。ポイントは、次の4点。

・A4の紙は、アナログ形式で情報を整理する機能的なツールである。
・Gメールとグーグルカレンダーは、デジタル形式で情報を管理する強力なツールである。
iPhoneはデジタル情報をチェックする上で、便利なツールである。
・A4の紙とiPhoneを組み合わせることによって、情報を網羅的に扱うことができる。

 言われてみると、その通り、という話で、これは便利そう。iPhoneGoogleなどを使うなど、新しいツールにも積極的。メモや資料はスキャナーで読み取ってPDF化し、自分のGメールに送って管理するという。これならば、どこでも使える。検索も簡単だし。クラウドに資料を保存する時代かあ。しかし、手軽さでいえば、紙が一番。で・・・

 (1)紙のサイズをA4に統一する
   書類のサイズを統一しておくとコピーもしやすい
 (2)受け取ったメールなどの「気になったもの」は必ずプリントする
   デジタルのままは「見落とし」の原因
 (3)「気づいたこと」「気になったこと」を書く
   プリントしたメールを最初に読んだ時点で、気がついたこと、気になったことを書き込む
 (4)クリアファイルに入れて、関連する種類をまとめる
   案件ごとに、文書をクリアファイルにまとめて入れておけば、その仕事に関する情報をすぐに確認できる
 (5)「デッドライン」の日付を基準にして整理保存する
   ここではメリタ式の書類整理術(3カ月先まで1日単位で仕切って、デッドラインに従い日付順に収納)
 (6)仕事が終了したら、その書類を破棄する
   終わった仕事の書類は、保存しなければならない理由がない限り、破棄。

 以上が基本。実際の仕事に即した考え方だなあ。最後の「捨てる」は大事なんだよなあ。
 クリアファイルの整理は

 ・書類をひとつの案件ごとにクリアファイルに入れる
 ・たとえ紙が1枚しかない場合でも、必ずクリアファイルに入れる
 ・デッドラインの日付を書き込み、○で囲む

最後の締切が大事だな。趣味は別として、仕事には必ず締切があるから。で、クリアファイルの色の使い方は

 赤は「緊急」の書類
 緑は「定期的」な案件
 オレンジ色は「スケジュールにかかわるもの」
 黄は「秘書向け」
 無色は、以上の4つに入らない通常業務の案件

 メモはA4の5ミリ方眼紙(オキナの「Project Paper」、マルマンの「REPORT PAD」)。
 会議では、資料を配付せずに、プロジェクターを使うというのは面白い。必要人数分の紙をコピー、配布する作業は無駄だし、資料を配ると、そちらに気を取られて、話を聞いていないということもあるし。
 「仕組みなき会社はメタボになる」とか、「丸投げというのは能力を認めたという証し」とか、「100%を目指すとムダが多くなる、60%OKならば、次の一歩を進める」とか、「デッドラインは原則として翌日」とか、「叱ることは労力を使うし、時間のムダ。問題を起こした当人に『なぜ?』『どうして?』とロジカルに問い詰めた方が打開策が見えてくる」とか、参考になるところが多々あった。