アカデミー賞をはじめ、世界の映画賞を席巻した
ダニー・ボイル監督のインドを舞台にした映画。遅ればせながら、見る。スラムを舞台にしているとはいえ、
ダニー・ボイルのことだから、ポップな感覚で描くのかと思ったら、意外なことに、真っ正面からインドのスラムの過酷な人生を描いていた。これでも甘いのかもしれないけど、生き抜くことだけで大変な世界。宗教的な対立、貧富の差、子どもさえ食い物にするヤクザなどが主人公に襲いかかる。兄弟さえもが信用できるのか出来ないのか、わからない。こうした主人公の人生をクイズを通して追っていくというア
イデアが、この映画の最大の勝因かもしれない。デーヴ・パテール、
フリーダ・ピントーの主演コンビが魅力的。子役たちもいい。エンディングクレジットのバックがインド風ダンスになっているところに、
ダニー・ボイルらしい感覚が出ていた。予告編で見る印象とは異なる重い映画だが、
アカデミー賞をとるのは納得する映画。
・オフィシャルサイト
http://slumdog.gaga.ne.jp/