マリリン・モンロー 最後の告白
- 出版社/メーカー: IVC,Ltd.(VC)(D)
- 発売日: 2010/01/27
- メディア: DVD
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モンローの時代には、ハリウッドでは精神科の治療を受けることが流行っていたという。しかし、精神科の治療によって、心の闇を覗くうちに、その闇の中に飲み込まれていってしまう。このドキュメンタリーを見ていると、モンローは愛されることを求めて、愛することを知らずという気もする。愛せないから愛されないのか、結局、多くの男性と関係し、結婚を重ねながらも、満たされなかった。男たちは、マリリン・モンローを愛して、ノーマ・ジーンを愛さないというが、一方で、モンローも、ノーマ・ジーンを見られることを恐れいた感じもする。写真に撮られることを愛していて、実は映画は嫌いとか、興味深いエピソードが数多くあった。写真を撮られることが好きなのも、撮影に遅刻するのも、自分が必要とされることを実感するため。歳をとり、美貌が失われれば、誰も自分を必要としなくなるという恐怖が抑えがたくあった感じがする。
しかし、この悲劇の背景には、時代環境もあるなあ。古典的なハリウッドの世界では、セクシー女優は最後までセクシー女優。美女は美女でなければならなかった。ニコール・キッドマンが「めぐりあう時間たち」に出たり、シャーリーズ・セロンが「モンスター」に出るようなチャンスが与えられるのは21世紀になってからだからなあ。そうすれば、美貌なのか、演技なのか、何が評価されているのか、わかるから。でも、悲劇だったから、モンローは神話になったわけだけど。
制作はフランス。フランス人がつくったこともあってか、文学的な香りのするドキュメンタリー。