装飾芸術美術館 Musées des Arts Décoratifs

 ルーヴル宮の一角にあるインテリアを中心としたデザイン・アート美術館。中世・ルネッサンスから、アール・ヌーヴォーアール・デコ、そして現代に至るまでのデザインの変遷を見ることが出来る。1940年代からは10年刻みで楽しめる。展示の仕方に工夫もある。現代の椅子のコーナーでは、実際に座れる展示があり、そこでは「2001年、宇宙の旅」とか、映画に登場する斬新なデザインの椅子を集めたクリップを流していた。エスプリがあり、洒落ている。デザイン好きにとって、かなり楽しめる美術館だった。
 このなかにいると、デザインが歴史の豊かな蓄積の中から生まれてくるのがわかる。アート系と思われる学生がスケッチをしたり、写真をとったり、先生からレクチャーを受けている姿も目立った。すぐ近くのルーヴルには古典芸術があふれ、ポンピドゥーには現代アートが山ほどある。エッフェル塔アール・デコ的な造形だし、こうした美的な環境はデザイナーを育てるのに最適の場所かもしれない。しかも、スケッチも、撮影も(フラッシュさえ使わなければ)許される。知的資産を未来に生かす仕組みができているように思える。
 しかし、あまり有名でない美術館のためか、観光コースから外れているためか、日本人はついに見かけなかった。ほかではあった日本語のパンフレットもここにはなかった。言葉を聞いていると、フランス語以外では、イタリア語が目立った。イタリアもやはりデザインの国なんだなあ。
 で、子供向けの展示では、「プレイモービル」の企画展を開催していた。企業の協賛企画も積極的にやっているのだろうか。
公式サイト
 http://www.lesartsdecoratifs.fr/
プレイモービルの公式サイト
 http://www.playmobil.co.jp/