オルセー美術館 Musée d'Orsay

 夕方のオルセー美術館は最高だった。入ったのは4時過ぎ。閉館時間は6時で、あまり時間はなかったのだが、その代わり、団体客はほぼ帰り、館内は空いていた。ゴーギャンゴッホの作品をゆっくりと誰にも邪魔されず、真ん前で堪能することが出来る。至福の時です。ゴーギャンゴッホは一部屋が割り振られているのだが、閉館間際、もう一度最後に見ようと思って、ゴッホの部屋に入ったときは、観客は僕ともう一人だけだった。
 ゴッホの色彩の鮮やかさは想像以上。ゴッホは当時としては最高級の絵の具を惜しみなく使ったという話を、何かの本で読んだことがあったが、なるほどと思う。これほど鮮やかな色とは主な分かった。ゴーギャンも好きな画家だけに楽しめた。東京で開かれたゴーギャン展は、あまりの混雑ぶりに敬遠してしまったのだが、絵からオブジェまで、じっくりと楽しむことが出来た。
 このほかにも名画の山。ロートレックのいかにも書き飛ばしたような絵。クールベの部屋に入ったときは、正面に飾られた「世界の起源」にどきっとしてしまう。有名な絵らしいが、こうした絵を描いているとは知らなかった。クールベの部屋もひとりで、そこに女性が入ってきたので、さらにどきっとしてしまう。
 オルセーは、ルーヴルやポンピドゥーに比べると小振り。しかも、ゴッホゴーギャンセザンヌなど、なじみのある19世紀の美術が中心なので、楽しい。美術館の中心にホールがあり、そこが良い休憩所にもある。閉館のアナウンスは、フランス語、英語、イタリア語から日本語に至るまで各国語で放送される。閉館時間になり、警備員の人に追い立てられるまで堪能した。
公式サイト
 http://www.musee-orsay.fr/en/home.html