サラバンド

サラバンド [DVD]

サラバンド [DVD]

 「ある結婚の風景」(1974年制作)の主人公だったマリアン(リヴ・ウルマン)とヨハン(エルランド・ヨセフソン)が30年近くたって再会した日々を描いたイングマール・ベルイマンのTV映画(2003年制作)。ヨハンの息子と孫娘が登場し、今度は夫婦ではなく、親子の物語となる。ヨハンを歳をとり、さらに我儘で偏屈な人間になっている。主役の俳優も変わらず、月日を感じさせる。リブ・ウルマンは良いおばあちゃんになってしまっている。
 ベルイマンの映画は台詞と表情で語られる。役者冥利の仕事かも。今回も登場人物は4人と少なく、それぞれ二人が絡み合う風景の連続で物語が語られる。人間が理解し合う難しさ、距離感の難しさ、愛と死と孤独について考えさせられる。アクション映画のように派手な場面があるわけではないし、映像もきらびやかなわけではないが、画面に緊張感があり、引き込まれる。過酷な現実を冷徹に描きながら、最後に希望を残す。BS2は来週、ベルイマンの代表作を放映するようなので、こちらも観てみようかと思う。