8月15日に読みたい3冊の本

 終戦記念日の8月15日、この日で思い起こす本というと、まずは『日本のいちばん長い日』

決定版 日本のいちばん長い日 (文春文庫)

決定版 日本のいちばん長い日 (文春文庫)

 8月15日の玉音放送までの24時間、日本で何が起きていたかをレポートしたノンフィクションの傑作。和平派、抗戦派が玉音盤をめぐり衝突する。
 これは8月15日そのものの本。戦争に関する本としては、吉田満の『戦艦大和ノ最期』
戦艦大和ノ最期 (講談社文芸文庫)

戦艦大和ノ最期 (講談社文芸文庫)

 沖縄特攻攻撃に出て撃沈された戦艦大和に搭乗していた学徒出陣士官、吉田満の記録。敗戦直後に1日で書かれた鎮魂の書。それだけに生々しい感情がある。
 そして、こちらも敗戦直後、昭和20年9月に広島で行われた講演をまとめた永野護の『敗戦真相記』
敗戦真相記―予告されていた平成日本の没落

敗戦真相記―予告されていた平成日本の没落

 「過ちは繰り返しません」と唱える前に、過去を直視しなければならない。『敗戦真相記』は、『失敗の本質―日本軍の組織論的研究』の先駆とも言える。政治、経済、社会、教育、『敗戦真相記』で指摘された日本の特質はいまにも通じる。哀しくなるくらい。ただ、悲観主義に陥らず、楽観的に未来を信じて進もうとしているところが、この本のいいところ。悲観主義とシニシズムからは何も生まれないから。
 人によって、いろいろな本があるだろうが、私はこの3冊。