政府・日銀が6年半ぶりの為替介入

15日の東京外国為替市場で、円相場は急反落。17時時点では前日の同時点に比べて2円25銭の円安・ドル高水準となる1ドル=85円46?49銭近辺で推移している。財務省・日銀が10時30分過ぎから、2004年3月以来6年半ぶりとなる円売り・ドル買い介入を実施すると、損失覚悟の円売りを巻き込んで下げ幅を広げた。野田佳彦財務相は「為替相場の過度な変動を抑制するため、為替介入を実施した」と認めた。

 ついに政府・日銀が動いた。やっぱり、やれば、やっただけの効果は出るということか。一国が動いても、効かないとか言っていたが...。円高対策についていえば、菅首相への期待度は低かっただけに、タイミングも良かったのだろうか。ニュースサイトを見ていると、欧州でも円売り介入している様子。
 で、為替介入と合わせて、こちらも明るい情報かも...

日銀は15日、円売り・ドル買い介入で市場に供給される資金をあえて吸収せず、事実上放置する方針を固めた。金融市場における資金量を増加させることで、金融緩和に近い効果を生み出すのが狙い。為替介入と資金を放置する「非不胎化」を同時に行うことで、円高阻止の姿勢を鮮明にする。日銀の白川方明総裁は同日午前、「強力な金融緩和を推進するなかで、潤沢な資金供給を行う」と表明した。

 ドル買いで生じる円を吸収しないということは金融緩和と同じ。日銀が嫌がっていた金融緩和策にも一歩、脚を踏み出すことになる。で、株式市場も好感...

 15日の東京株式市場で日経平均株価は大幅に反発した。大引けは前日比217円25銭(2.34%)高の9516円56銭と、8月10日以来、約1カ月ぶりに9500円台を回復した。円高進行を受けて売り先行で始まったが、午前10時半過ぎに政府・日銀が6年半ぶりに円売り・ドル買い介入を実施したことをきっかけに円相場が一時1ドル=85円台に急落。企業の採算悪化への懸念が後退し、電機や自動車など輸出関連株を中心に軒並み買われた。値幅の大きい展開となり商いも膨らんだ。財務省高官が午後、為替介入を必要に応じて継続することを示唆したことも買い安心感につながり、日経平均の上げ幅は約280円に達する場面もあった。

 さて、経済音痴の菅首相が、このアドバンテージを上手くコントールしていけるかどうか。頑張って欲しいところ。
【追記】
 Twitter北浜流一郎氏が以下のようなツィートをしていた。

今回日銀は市場介入した資金を、市場から回収しない方針とのこと。回収するのを「不胎化」措置と言い、これまでは回収により通貨供給量が増えず、それが円高要因の一つでもありました。しかし今回は資金を回収しない「非不胎化」措置をとることに。これは高く評価でき、少々サプライズです。

 株式市場も既に反応していたが、この「非不胎化」こそ今日最大のサプライズであったのではないかと思う。「非不胎化」がセットになったことで一国為替介入でも、ある程度の円高抑制効果が出るかもしれないという期待が出てくる。ただ,既に一部のテレビニュースでは,日銀の本音を代弁するかのように、今回の政策は「資産インフレ」を呼ぶのではないかという発言も出ている。現在のデフレ状況をみれば、資産インフレを心配する前に、まずはデフレからの脱却を目指し、打つべき手を打ちまくるということだと思うんだが...。