世銀総裁の新通貨制度発言をきっかけに金が1400ドル台突破

8日のニューヨーク金先物相場は3日続伸し、取引の中心となる中心限月で初めて1トロイオンス1400ドル台を突破した。欧州での財政不安の再燃に加え、世界銀行のゼーリック総裁が金の価格を参照値として用いる新たな通貨体制づくりを呼びかけたことが買い材料となった。金先物の最高値更新は3営業日連続。

 金相場の上昇が止まらない。ユーロ情勢が再び、キナ臭くなったことに加えて、ゼーリック総裁の発言が火に油を注いだ感じ。その発言がFTのこの記事らしい。

Mr Zoellick, a former US Treasury official, calls for a system that "is likely to need to involve the dollar, the euro, the yen, the pound and a renminbi that moves towards internationalisation and then an open capital account". He adds:"The system should also consider employing gold as an international reference point of market expectations about inflation, deflation and future currency values."

 なるほど、これは刺激的かも。世銀総裁の発言だし。この発言を読んで、以前、田淵節也氏が日経の「私の履歴書」で米国が金などの実物資産を裏付けとした新しい通貨制度を考え出すのではないかという発言をしていたのを思い出した。
 田淵節也氏:米国は新しい通貨制度を考え出す? - http://t.co/bwzZLSu
 ドルもユーロも通貨不安に揺れる今、既に次の通貨制度をめぐる戦いが始まっているのかもしれない。米国は世界最大の金保有国だろうし、次世代通貨体制でも主導権を手放したくないのだろうな。しかし、日本はここでも戦略がなさそうな気が...。