インドではトイレを持たない人でも携帯電話を持っている

トイレより携帯電話が多い国。 それはインドだ。 携帯電話の加入者は12億人の人口の半分に達する半面、まともなトイレを使用できる人はわずか3分の1だ。 大多数の国民に基本的な衛生インフラさえも提供できないインド政府の無能さを皮肉るため、今年の春に国連が発表した統計だ。 裏を返せば、この数値は民間企業の驚くべき能力を誇示している。 トイレもなく暮らす貧民層にまで電話機を売っているのだから。

 中央日報のインド・中国経済論の書き出しだが、冒頭のエピソードに感心してしまった。インドはトイレよりも携帯電話が多い国なんだ。凄まじいなあ。で、このあとに、ファリード・ザカリアの 「インド経済は、政府のおかげではなく、政府がいるにもかかわらず発展する」という言葉が紹介されている。日本もこのガッツが必要なんだな。
 戦後の経済成長は官僚がつくったような神話があるが、ホンダも、ソニーも、任天堂も政府・官僚が育てたわけじゃない。ある経営者は日本の成長を予想して製鉄所の建設を計画したところ、官僚たち(正しくは日銀総裁だけど)に「ペンペン草をはやしてやる」と毒づかれた。結局、ペンペン草がはえることなく、計画は成功し、成長の波に会社は乗ることができた。戦後の日本も、官僚がいるにもかかわらず、発展したところがあるなあ。いま必要なのは、独立自尊の気概かもしれないなあ。
 インド経済の記事を読んでいて、そんなことを考えてしまった。