村松尚登『スペイン人はなぜ小さいのにサッカーが強いのか』
- 作者: 村松尚登
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2010/03/16
- メディア: 新書
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リーガ・エスパニョーラのサッカーは見ていて面白いのだが、クライフはバルセロナの監督として攻撃型のリスキーなアタッキング・サッカーを展開、「魅せるサッカー」の重要性について、こんなことも言っていた。
「もしその試合を5−0でリードしているのなら、6点目を奪う必要はない。プロ選手ならシュートをポストに当てて観客を楽しませるべきだ」
すごいな。これでは、面白くならないはずがない。そして面白いだけではなくて、強くなった。クライフがバルセロナに撒いた種が大きく実った。いまは、その収穫期といえる。
で、目次で内容をみると
第1章 スペインはなぜユーロ2008を制することができたのか
1.体格差を補う戦術と弱点を補う精神構造
2.スペイン代表の躍進を促す国内サッカー事情
第2章 強く美しいサッカーの源流・FCバルセロナの世界観
1.ヨーロッパ王座奪還の舞台裏
2.育成現場にあるスペインサッカーの秘密
第3章 リフティングはうまいが、サッカーが下手な日本人
1.日本のサッカー
2.サッカーの本質
第4章 日本サッカーが世界で勝つためのヒント
1.未来へのヒント
2.サッカーの本質を探る
筆者はバルセロナを拠点にユースの指導にあたってきたひとだけに、選手の育成に関する部分が面白い。「サッカーはサッカーをすることで上達する」というのが基本思想。それでいうと、スペインでは11歳以下では、子供たちのボールタッチを増やすために7人制サッカーが採用されているとか、日本の学校サッカーの勝ち抜き方式だと勝利至上主義になってしまううえ試合数も制限されるとかいう指摘が面白かった。なるほどと思う。加えて日本の場合、練習ではフィジカルなぶつかり合いが少ないともいう(このあたりは本田が海外チーム体験の例としてテレビでよく話していた)。課題がはっきりとわかるということは、それだけ可能性もあるということで、読んでいて、日本のサッカーの今後が楽しみになってくる。
で、ユースでも少年たちにコーチが戦力外通告をする話が出ていた。これを読んでいて、先日、NHK-BSで見た「サッカーボーイズ」を思い出した。
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