万引き事件、全体では減少だが、高齢者は20年連続増で2万7362人に。

昨年1年間に万引きで摘発された65歳以上の高齢者は前年より343人多い2万7362人で、1991年から20年連続で増加したことが警察庁のまとめでわかった。統計を取り始めた86年以降でも最悪。昨年の万引きの認知件数は前年より1517件減の14万8375件で、摘発人員も401人減の10万4827人となった。06年からの5年間で少年と成人はいずれも減少しているが、高齢者だけは2302人も増加している。警視庁が先月公表した調査では、東京都内で摘発された高齢万引き犯119人のうち4割が「周囲に相談相手がいない」と回答した。また、生活苦を動機に食料品を万引きする容疑者が目立つという。

 自殺者が毎年、3万人を超える一方で、高齢者の万引き摘発人数も3万人に迫る。この2つのデータをつなぐものは「生活苦」なんだろうか。一方で、「周囲に相談相手がいない」って、孤独感から万引きをする? 誰かとの会話を求めて、万引きするということがあるんだろうか。どこかで社会が壊れてきているのかなあ。成長が止まり、急速に高齢化が進む今の日本は若い人たちにとって、より厳しい社会だと思うんだけど、若年層よりも高齢者のほうが苛立っているように見える。かつての「輝いていた日本」を知っている世代のほうが社会に対する怒りが大きいのだろうか。若年層には諦観してしまっているような...。それが犯罪データにも出てくるのだろうか。
【やぶしらず通信・関連ログ】
暴走族も少子高齢化 (2005年7月20日) => http://t.co/kmR4iZf
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