29年間にわたりエジプトを統治してきたムバラク大統領が11日、辞任した。スレイマン副大統領は同日、国営テレビを通じて「ムバラク大統領は辞任を決断した」と話し、権力を軍が掌握すると宣言した。チュニジア政変に触発されてエジプトでは1月25日から連日抗議デモが続いていた。9月の大統領選挙への不出馬を表明していたが即時辞任要求は収まらず、任期半ばの退任を余儀なくされた。米国政府は歓迎する意向だ。
ついにムバラク大統領が辞任。軍も親ムバラク、反ムバラクに分裂しているという情報も流れていたし、これ以上、混乱が続けば、軍自体が崩壊してしまうと思ったのかもしれない。最後の最後で、軍は国民の側に立った。スレイマン副大統領も権力を手放すらしい。その裏側で、どのようなドラマがあったかは、これから徐々に明らかにされていくのだろう。ここからは新しいエジプトの体制づくりへ産みの苦しみが始まるのだろう。しかし、今度は希望のある苦難かもしれない。少なくとも市民による非暴力革命を実現したことで、エジプトは世界史に名を残し、国民としてのプライドを取り戻せたわけだ。
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