生前贈与された海外資産1330億円への課税は不当。2000億円還付へ...。お金持ちの海外逃避が加速するなあ...

消費者金融大手の武富士(会社更生手続き中)の創業者、武井保雄元会長(故人)の長男で同社元専務の俊樹氏が、両親から生前贈与を受けた海外資産に約1330億円を課税されたのは不当だとして、取り消しを求めた訴訟の上告審判決が18日、最高裁第2小法廷であった。須藤正彦裁判長は、課税を適法と認めた二審判決を破棄し、課税取り消しを命じた一審判決を支持した。俊樹氏の逆転勝訴が確定した。

 海外を利用した相続資産への課税をめぐった争いで最高裁が逆転判決。武富士ファミリーが勝ってしまった...。当時の法律上は課税対象にはできないと...。お金持ちはやはり海外に資産を移しておいたほうが良かったんだと思うんだろうなあ...。しかも...。

俊樹氏は延滞税を含めた約1600億円を納付済みで、還付加算金を上乗せした額が還付される。租税特別措置法により、2000年以降の還付加算金は日銀の基準貸付利率に年4%を上乗せした率で計算し、今回は年4.1-4.7%が適用される(現在は年4.3%)。還付総額は約2000億円とみられ、個人に対する還付額としては異例の高額となる。

 まあ、資産家の方々は、もっと良い利回りで資金を運用することができるんだろうけど、顕微鏡で見ないとわからないような現在の銀行・郵貯金利からみると、年4%台の金利は魅力的だなあ。実際、1600億円のオカネが2000億円になって返ってくるわけで、この間に、リーマンショックなど金融危機があったことも考えると、まあ、そんなに悪いパフォーマンスでもなかったような...。
 しかし、今でさえ、お金持ちの人たちは、シンガポールだ、香港だ、上海だ、と引越を考えているようだけど、こうした話を聞くと、海外逃避の動きは加速していくんだろうな。生活のレベル感からいっても、あちらは快適な環境に進化してきているし、同じ金額で受けるサービスは向こうのほうが良さそう。投資対象もあちらのほうが成長株とか、ありそうだし...。で、一応、法律も海外逃避の動きには対応していて...

00年の税制改正で、贈与する側か受ける側のいずれかが過去5年以内に日本に住んでいれば、海外資産も課税対象となった

 なるほど、それで、お金持ちのみなさんは早く海外に出ようしているのか。5年を超える実績をつくる必要があるから...。イタチごっこだなあ。
 さて、ここで、どう考えるか、さらに法律を強化し、金持ちを叩いて税金をもっと巻き上げることを考えるのか。あるいは、金持ちを国内に引き止め、あるいは戻ってきてもらうために税制優遇策を考えるのか。北風か太陽か。持たざる者の感情としては前者だが、経済を活性化させ、そこから利益を得るという考えからいえば、後者が答えなのかもしれない。金持ちの扱いは厄介だなあ。
チェイス-国税査察官-DVD-BOX 悪税が日本を滅ぼす―元国税調査官が暴露する不公平税のからくり (新潮文庫) 金持ち父さん貧乏父さん