リビア、第2の都市ベンガジをデモ隊が占拠。カダフィの息子は国営放送で内戦を警告

カダフィ大佐の強権支配への抗議デモが続くリビアからの情報によると、デモ隊は20日までに、同国第2の都市ベンガジを占拠した。同市内の病院の医師は、一連の暴力による死者が209人に上ったと述べた。複数の目撃者によると、ベンガジでは軍兵士らの一部がカダフィ大佐への忠誠を捨て、デモ隊側に加わっている。

 朝、起きて、CNNを見たら、リビアトリポリに次ぐ都市、ベンガジがデモ隊に占拠され、無政府状態になっていると報じて言える。で、さらに見ていると、ふんぞりかえって、上から目線でテレビ演説するエラソーな男が...。政府のスポークスマンにしては偉そうだな、と思ったら...

In a speech early Monday on state TV, the son of Libyan leader Moammar Gadhafi blamed drunks, criminals and foreigners for fomenting violence in the North African nation and warned of a chaotic civil war, return to colonialism and mass poverty if citizens didn't rally around the ruling government.

 カダフィの息子だった...。上の記事にもあるように、このままでは内戦になると警告しつつ、混乱を起こしているのは犯罪者だ、外国人だ、海外メディアは事態を歪めて放送している、死者はそんなに出ていない、BBCが悪い、アルジャジーラが悪いと、すべて他人の責任にする独善的な独裁者パターンの演説だった。話し合おうといいつつ、ふんぞりかえって、あごは上がり、見下している言い方。
 リビアのような国では、こうしたアプローチは有効なのだろうか。これで事態を沈静化できるのか、と疑問に思っていたら、このあと、CNNがベンガジの人に電話取材をしたところ、カダフィの息子の演説のあと、銃声が高まっていると...。火に油を注いだだけかも。
 カダフィ政権の対応がこんな感じだと、ルーマニアチャウシェスク政権のような結末になってしまうのではないかと思えてくる。テレビを見て、この息子が政権を継ぐのかと、民主化勢力の態度をさらに硬化させ、軍は軍で、このままで大丈夫かと不安になったりしないのだろうか。軍にしたって最後は自分のことを考えるだろうから。テレビ演説は逆効果だったような...。
 しかし、リビアまで、こんなことになるとは...。英エコノミストの「靴投げ指数(The shoe-thrower's index)」ではリビアは政権不安程度2位だったが。
【やぶしらず通信・関連ログ】
エジプト余波、バーレーンリビアはデモ隊武力制圧で死者。エコノミストの靴投げ指数が気になる => http://t.co/vlXlyUp

カダフィ正伝―誕生から革命秘話、そして激動の半生を初めて語る

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