リビアはカダフィ大佐と反政府派の攻防が続く

最高指導者カダフィ大佐への蜂起が続くリビアで、反体制派は4日夜、同国最大の石油関連施設がある中部の都市ラスラヌフを政府軍との戦闘の末、制圧した。一方、政府側治安部隊は同日、反体制派が支配するトリポリ西方の要衝ザウィヤに激しい攻撃を加え、夜までに中心部を除きほぼ奪還した。

 背水の陣のカダフィ大佐は自ら権力を手放す気はない。ということで、カダフィ大佐の政府派と反政府派の陣取り合戦が続いている。攻防の舞台は石油施設のある都市になるのだろうか。反政府派は地上戦を戦い、政府派は空爆で応酬する感じ。反政府派は民兵が中心のようだから、首都トリポリを一気に落とすだけの武力はない様子。一方、カダフィ大佐は空軍力は保持しているが、陸軍は反政府派につくところもあり、万全ではない。都市を制圧するのは地上軍だから、空爆だけでは限界がある。BBCのニュースを見ていると、地元住民と傭兵との間には士気の差もあるという。というわけで、両者、決定力に欠け、長期化する恐れもありそう。
 リビアでの戦いというと、第二次大戦下、ロンメル率いるドイツ軍と英国軍の激戦地、トブルクを思い出すのだが、トブルクがどうなっているかと思ったら、こちらは反政府派が制圧しているという。数日前に、こんな話が出ていた。

リビアの反体制派が支配する東部トブルクの港から、原油を積んだタンカーが2月28日、中国へ向けて出航した。同港から原油が輸出されたのは、反体制派の東部制圧以来初めて。リビア国営石油会社傘下で東部ベンガジの石油開発生産会社アラビアン・ガルフ(AGOCO)は、カダフィ政権が倒れるまで、国営石油からは分離して操業するとしており、基幹となる産業界でもカダフィ離反の動きが進んでいるもようだ。

 トブルクは石油の積み出し港なのか。今も昔も要衝であることに変わりはなさそう。

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