「我欲」「天罰」発言の石原都知事、まず都民の「我欲」を洗い流せば...

東京都の石原慎太郎知事は14日、東日本大震災への国民の対応について記者団に問われ、「我欲で縛られた政治もポピュリズムでやっている。それを一気に押し流す。津波をうまく利用して、我欲をやっぱり一回洗い落とす必要がある。積年にたまった日本人のあかをね。やっぱり天罰だと思う。被災者の方々はかわいそうですよ」と述べた。

 文学者らしい歯切れの良さだなあ。この唯我独尊の無神経な言葉の選び方がたまらない。でも、石原都知事、自分の足元の東京都で何が起きているのか、きちんと把握しているのだろうか。不安心理に駆られた都民が我利・我欲の亡者となってスーパー、コンビニに殺到し、食品やら日用品やらを買いあさり、店舗の棚はカラ、店によっては売るものがなくなって早々と閉店してしまっている荒涼とした風景をどう見ているのだろう。
 しわ寄せを食うのは、高齢者、障害者などの弱者や日本に疎い外国人であることは目にみえている。彼らには何も残っていない。被災地が救援を求める中で、モノ不足を引き起こすという人災をも引き起こしかねない。政治家ならば、評論家のような話をしている場合じゃないと思うけど...。この都知事にして、このパニックありなんだろうか。
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