やっぱりなかった統合対策本部。菅首相は東電に全ての責任をなすりつけるつもり?

福島第一原子力発電所の爆発事故を受けて、菅首相が15日午前5時半頃に会見し、政府と「東京電力」による統合対策本部の設置を明らかにした。菅首相「政府と東京電力が一体となった対策本部を立ち上げることにしました。事業者である東京電力と政府の対策本部の場所が違い、リアルタイムでの対応において一体化した方がいいだろう」

 責任の押し付け合いが早くも始まったんだなあ。東電の原発事故と電力供給不足について政府、東電が一体となった管理をしているのかどうか、疑問に思っていたら、やっぱりなかった。これって原発事故だけの対策本部か、それとも計画停電も含めての本部なのだろうか。「首相の指導力」をテレビ、新聞向けにアピールするパフォーマンスにしか見えないけど。菅首相は、この混乱の責任を東電になすりつけるつもりなんだな、きっと。
無責任の構造―モラル・ハザードへの知的戦略 (PHP新書 (141)) 原発の事故現場には自衛隊も入っているはずだけど、そのルートの情報は首相に上がっていないのだろうか。自衛隊は誰の指揮下にいるの? 東電の指揮下にある? 原子力安全・保安院は現場に誰も派遣していない? 東電の現場と自衛隊の現場は、福島第一原発で、まさに生命をかけて戦っているのだろうが、東京では責任回避の戦争が始まっているんだろうか。「事件は会議で起きている」のか。哀しいなあ。
 茨城や千葉の被災地まで停電地域にしてしまうことを見れば、東電がパニクっているのは確か。あるいは平等な停電にしろ、という指示を受けているのか。おかげで鉄道は今日も平常運転にはできない。優先順位を決定する人が必要で、それが政治家であり、公共に尽くす公務員であるはずで、統合本部がなかったこと自体のほうが驚き。やっぱり、ふだんは立派なエリート風だけど、見掛け倒しだったのかなあ。哀しいなあ。現場がかわいそう。上が決めなければいけないことでも、現場で決めろ、とか言われているのかなあ。
【参考】
この期に及んで責任転嫁とは… 首相、東電幹部に「撤退すれば100%潰れる!」- MSN産経ニュース => http://t.co/Tqp2BjD
【やぶしらず通信・関連ログ】
そう思いたくないが、政治家も官僚も電力会社も恐ろしく無能かもしれない。あるいはパニクっている(3月14日) => http://t.co/yHBSfFJ