日経平均、一時9000円割れ。天災は乗り越えられても、人災は...

15日前場中ごろの東京株式市場で日経平均株価は下げ幅を拡大。一時は前日比636円(6.6%)安の8983円まで下落した。取引時間中としては2010年9月2日(8958円)以来、約半年ぶりの安値を付けた。11日に発生した東日本巨大地震の影響で電力不足が生じ、東電が計画停電を実施。トヨタなど製造業の多くが工場の操業停止に追い込まれるなど、生産活動の停滞が景気の先行き不透明感につながった。東証1部の9割強の銘柄が下落する全面安。

 日経平均は一時、9000円割れ。東日本大震災の経済的ダメージが大きいものの、それは昨日までに織り込んで、今日からの下げは、人災に対する不安じゃないだろうか。政治家、官僚、公益企業の無能が何を生み出すのか。その災危がいつまで、どのぐらいあるのか、読めない。店頭ではモノを買いあさり、市場では株を売りまくる。日本社会が壊れかけている。未曽有の天災であることは確かだが、日本人は今までも乗り越えてきたし、今回も乗り越えるだろう。しかし、震災のさなかに、まだ瓦礫の中に人がいるときに、火事場泥棒のように政治家は増税を語り、都知事は「天罰」だと言い募る。一方で、電力、鉄道などのライフラインの再建を全体でデザインするひともいない。
マネジメント[エッセンシャル版] - 基本と原則 本来、日経平均が9000円を割ってくれば、バーゲンセールと思うのだが、天災ではなく、人災によって引き起こされた社会インフラの混乱ぶりを見せつけられると、怖くて手が出せない。どんな人災がこれから発生するか、それが、どの産業を襲うのか、読めない。優先順位なき自称「計画停電」は予測不能の社会を作り出している。
 財政事情が逼迫している中での大災害発生で、復興資金が必要になる。その財源が問題になるのは確かだが、とすれば、不要不急の支出を止めて、その上で不足分を考えるのが筋。当然、優先順位を決めることが必要なのだが、それができないのではないかと、つい疑問に思ってしまう。優先順位を決めずに、予算をダダ漏れにしえ、そのうえ、復興のためという名目で、各省庁競って天下り先の特定法人づくりに狂奔するのではないかとさえ疑ってしまう。
 優勢順位を決めるのがマネジメントだが、それがない。社会も敏感にそれを感じている。あげくの自己保身の買いだめパニック。街を見ても、社会が壊れ始めている。そう考えていくと「売り」だなあ。人災の底が見えなければ、日経平均の底も見えない。本来ならば、期末の配当取りもでき、ここまで相場が下げれば、買える銘柄はいろいろとあるはずなのに、日本にいる限り、人災から逃れられるか、わからない。どうやって人災から遠い銘柄を探すかだなあ。
【追記】
 マーケットが閉まってみれば、1000円を超える下げ...。

15日の東京株式市場で日経平均株価は大幅続落した。終値は前日比1015円34銭(10.55%)安い8605円15銭だった。昨年来安値を更新し、2009年4月28日(8493円)以来、約1年11カ月ぶりの安値水準に下落した。下落率は歴代で3番目の大きさ、下落幅でも17番目の大きさとなった。

 ここからが攻防戦かな。原発事故への対応と計画停電の混乱は、日本のマネジメント能力に疑問を持たせてしまったというか。日本の指導層が無能だという江戸時代以来の国家秘密が世界にばれてしまったのだろうか。
【参考】
・臨時増税を協議へ、自民の谷垣総裁が明らかに - SankeiBiz(サンケイビズ) => http://t.co/ZndT1WE
・震災に便乗!?民主・自民タッグで“増税大連立”現実味 -ZAKZAK => http://t.co/fyxrvVz
・現時点であらゆる可能性否定できない=復興支援の臨時増税論で枝野官房長官 | Reuters => http://t.co/q9HgWSR
・石原知事「津波で我欲洗い落とせ」「天罰だ」 - MSN産経ニュース => http://t.co/6gQcpSZ

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