東京都知事選、都民は4期16年82歳を選択したのか...

東京都知事選は10日投票、即日開票され、自民、公明両党が実質的に支援した無所属現職の石原慎太郎氏(78)が4期目の当選を確実にした。前宮崎県知事の東国原英夫氏(53)、民主党都議団が支援したワタミ前会長の渡辺美樹氏(51)、共産党の推薦を受けた前参院議員の小池晃氏(50)ら新人が挑んだが届かなかった。

 どんな権力も必ず腐敗する。どんなに優秀な人でも長い間、権力の座にいれば、空気はよどみ、取り巻きが生まれ、腐敗が生まれるのが常である。米国やロシアの大統領の任期が2期8年というのは、権力の暴走や腐敗を防ぐ安全装置だ。企業にしても、会社と人生が一体化してしまっている創業経営者を除けば、優秀な経営者は長く職にとどまらない。後継者を育て、次世代に継ぐことを重要なミッションとしている。
 権力が持つ魔力を考えれば、どんなに優秀な人でも、4期16年は長過ぎる。対立候補に同等の人材がいなかったとしても、長期政権が生む弊害よりはいいと思う。しかし、都民の選択は4期16年だった。選挙って、そういうものなんだなあ。何だか日本の閉塞状況を象徴するような結果に思える。今から12年前といえば、1999年。このとき、米国はビル・クリントン大統領、ロシアはエリツィン大統領、中国は江沢民主席だった。加藤清史郎くんはまだ生まれてもいなかった。12年でも長い。16年は本当に長いなあ。
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