東日本大震災、広告自粛でテレビ局に打撃

東日本大震災は、広告収入を頼りとする民放テレビ各局の業績にも影響を及ぼしている。震災直後のノーCM放送や、企業のCM自粛のため「減収額は10億円台後半」と見積もる局も。現在は通常CMが震災前の9割台にまで回復しているが、今後は節電で家電製品のCM減が予想されることなどから、「試練はむしろこれから」と懸念する声も強い。テレビ各局は3月11日の地震発生後、24時間体制でニュースを伝え、CMなしの放送はテレビ朝日の74時間を最高に、TBS62時間、日本テレビ61時間、フジテレビ61時間、テレビ東京33時間にのぼった。

 3月は年度末で、広告にしてもオカネが出やすい時期。加えて、4月の番組再編、特番なども吹き飛んだ形。東電・東北電管内の電力不足も絡み、この逆風は続きそうだなあ。加えて、最近はテレビも、世の中の不安を沈静化させるための宣伝放送のようになってしまっているところもあるし、震災に関する報道もワンパターン化し、放送内容としても行き詰まってきている感じがする。もともとメディア革命のなかで、テレビ、新聞、雑誌などのオールドメディア・ビジネスは厳しかった。今度の震災は、その衰退を加速するのだろうなあ。

2011年新聞・テレビ消滅 (文春新書)

2011年新聞・テレビ消滅 (文春新書)