高橋洋一『バランスシートで考えれば、世界のしくみが分かる』

バランスシートで考えれば、世界のしくみが分かる

　ビジネスの世界でのバランスシートの大切さと面白さは理解していたが、政治・財政の世界もバランスシートを通して見ると、なかなか面白い。埋蔵金、中央銀行、特殊法人の話は高橋氏のほかの著書でも紹介されており、その総まとめといった形。財政危機に陥ったギリシャと日本のバランスシートから見た比較も面白かった。
　目次で内容を見ると、以下のような形...

１時間目　必要に迫られて学んだバランスシート
２時間目　バランスシートで発掘した埋蔵金
３時間目　バランスシートで見る日本政府の負債と資産
４時間目　バランスシートと金融政策
５時間目　バランスシートで分かる民営化と年金
６時間目　日本の財政とプライマリーバランス
７時間目　バランス感覚で読む国際政治

　７時間目は、１冊の本にするためにページ数を稼ぐかのような補講というか、蛇足的な章だった。タイトルにあるように、バランスシートで世界を考えるという点から言うと、１〜６を読めばいい。