福島原発事故、1号機と2号機の格納容器に穴? 当時の解説は何だったのだろう

東京電力が24日公表した福島第1原発2、3号機で炉心溶融があったとする報告書の中で、1号機は原子炉圧力容器の外側にある格納容器に直径7センチ相当の穴、2号機では格納容器に直径10センチ相当の複数の穴が開いている可能性が初めて示された。東電は炉心溶融による2、3号機の圧力容器の損傷について「限定的」としているが、高濃度の汚染水がタービン建屋に漏れ出すなど、圧力容器やその外側の格納容器の健全性は元々疑問視されていた。東日本大震災から2カ月半。対応に問題はなかったのか。事故収束に向けた工程表の履行も危ぶまれる。

 出てくる、出てくる、次から次へと新事実。1号機から3号機までメルトダウンした上に、1号機と2号機の格納容器には穴が開いている可能性も出てきた。事故当初、水素爆発が起きても、燃料棒は大丈夫、格納器は大丈夫という解説はいったい何だったのだろう。不安な気分にさせないために意図的に過小評価したのかどうなのか。ともあれ、政府も東電もメディアも信用されない状況ができてしまった。このあたりも調査委員会が検証するのだろうか。

新版 原発のどこが危険か 世界の事故と福島原発 (朝日選書)

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