中国・広州で大規模な暴動。きっかけは露天商に対する当局の対応

中国広東省広州市郊外の増城市で、露天商の女性に対する当局の対応に反発した出稼ぎ労働者が週末に暴動を起こし、警察車両を襲撃するなどした。複数メディアの報道で明らかになった。▼香港のテレビ局は、四川省出身の労働者が増城市で窓を破壊し、政府の建物に放火している様子を放映。当局は暴動鎮圧のため、催涙ガスや装甲車を使用した。目撃者らは、1000人以上が暴動に参加したと語った。

 露天商を治安当局が排除したところから暴動が発生するというのは、チュニジアを思い起こさせる。出稼ぎ労働者は二級市民扱いなのだろうから、それまでの鬱屈が爆発したというところか。これが広がるのか、今までのように力で抑えこんでしまえるのか、わからない。経済が成長しているときは、成長の中で不満も吸収されていくのだろうが、バブル抑制のために成長率を抑制し、経済を停滞させると、こうした社会不安が吹き出す。中国も難しい局面にあるのかも。昔は日本でも山谷や釜ヶ崎での暴動が頻発した時代があったわけで、共産党支配の中国だから、というよりも、経済の発展段階での歪が出る時期なのかもしれない。

階級のない国の格差―誰も知らない中国労働事情

階級のない国の格差―誰も知らない中国労働事情