ノルウェー・テロ事件。犯人に罪の意識なし

非公開で行われた審理の後に記者会見した裁判官によると、同被告は「私たちの組織には、さらに2つの小グループがあった」と述べ、共犯もしくはテロを実行しうる協力組織の存在を示唆した。また、「イスラムの乗っ取りからノルウェーと西欧を救わなくてはならなかった」と述べ、犯行を認めながらも罪には当たらないと主張した。▼さらに、「労働党は国と国民を裏切り、その代償を払ったのだ」と述べ、移民寛容政策を取る労働党に打撃を与えることも目的だったことを明かした。審理は約40分で終了、裁判所は8週間の勾留延長を認めた。警察当局は25日、連続テロの犠牲者をこれまでの93人から76人に下方修正した。

 本当に組織があるのかないのか。完全に単独で、2つのテロを実行できるのか、疑問もあるが、といって、それほどの大組織があるのか、わからない。あれば、そんなに簡単に話さないような気もするし、だいたい犯行声明を出しているだろう。影で支援したグループなり、個人があったとしても、事の重大さに距離を置きたがっているのではないだろうか。一方、警察当局は犠牲者の数を訂正。減ったとはいっても、相当な人数だが、この訂正ぶりを見ても、警察が相当、混乱していたことも分かる。ノルウェーの警察はテロや同時多発事件などの有事に対する準備ができていなかったのだな。平穏なノルウェー社会にとって想定外の事件だったのだな。

ノルウェーの社会―質実剛健な市民社会の展開 (waseda libri mundi)

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