ロマン・ポランスキー、良きアーティストは良き人間ではない?

スイスの商業都市チューリヒで開催中の映画祭で、ロマン・ポランスキー監督(78)が27日、これまでの実績をたたえる功労賞を受け取った。2年前に受賞するはずだったが、授賞式出席のためスイスに入国した際、1977年の米国での少女淫行事件に絡み拘束。今回、あらためて賞が授与されることになった。ポランスキー監督は「ここにいるのは不思議な感じ。この賞については、特に刑務所の方々に感謝したい」と述べ、聴衆からは笑いが起こった。

 ロマン・ポランスキーの映画は好きだし、映画の世界から言えば、功労賞を受けるのも当然と思うのだが、「刑務所」ネタ・ジョークと、それを笑って聴くギョーカイ人の話を読むと、芸術と人間、芸術と犯罪について考えてしまう。アーティストが評価されるのは作品で、良きアーティストが良き人間であることはないというのはわかるが、犯罪行為となると話は複雑になってくる。事件も「少女淫行」というより、俳優志望の少女を映画監督が...、というパワハラ、セクハラの「少女暴行事件」といわれる。
 米Newsweek誌は、裁判にかけろ、という主張だが(Newsweekの記事は「Daily Beast」に掲載されている)、この「刑務所」ネタ・ジョークを読むと、その主張も無理はないと思えてくる。映画は好きなんだけどなあ。ポランスキーにも言い分はあるのだろうが、このジョークは...。「チャイナタウン」に出てくるようなダークサイドが、ロマン・ポランスキーの心のなかにあるのだろうか。
Roman Polanski Raped a Child: A Primer - The Daily Beast => http://bit.ly/mTDfZ6
Polanski: Can We Separate the Artist From His Art? - The Daily Beast => http://bit.ly/pXxaMy
ポランスキーをちゃんと裁け - ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト => http://bit.ly/qPULpV
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