東証が上場基準を緩和って、株式市場の賭場化に拍車をかける?

ヨーロッパの信用不安などを背景に取り引きの低迷が続く東証東京証券取引所は、成長力のある中小企業が上場しやすいよう上場基準を緩和して市場の活性化を目指すことになりました。これは、東証が成長力のある中小企業の上場を推進して、投資家に対して魅力ある株式市場にしようと活性化策として打ち出したものです。具体的には、来年3月をめどに業績などに関する上場基準を緩和し、一時的に業績が悪化している場合でも将来性があると判断できれば上場を認めることにしています。

 オリンパス不正経理が問題になっている最中、東証が上場基準を緩和。まあ、上場基準のハードルを下げて、上場企業を増やしたいのはわかるけど、投資家保護のためのルールを徹底しないと、企業にとっては天国でも、投資家にとって地獄の世界になってしまう。だいたい、オリンパスだけではなくて、大王製紙の事件もあったし、中国系の上場企業の問題も指摘されているし、マーケットのルールはどう考えているのだろう。
 オリンパスが上場維持か否か、喫緊の問題になっている時期に、上場緩和を打ち出すことはブラックユーモアのように見えるけど。これでオリンパスが上場維持だとしたら、粉飾をしても責任を問われない自由なマーケットということで、きわめてビジネスフレンドリーなマーケットという話になるのかも。でも、これはもう何でもありの賭場と宣言するような気もするけど。というか、賭場でも、いかさまがバレれば、袋叩きにして追い出されるのも、それもないとすれば、賭場よりもすごいところになってしまう。それとも東証はアジアのジャンクボンド・ジャンクストック・マーケットを目指しているのだろうか。だとすれば、戦略といえば、戦略なのかもしれない。
オリンパス上場可否審査、「ある程度の時間内に結論」=東証社長 | Reuters => http://bit.ly/sBCsnV
★連れ安「FACTA銘柄」を東証放置ーーオリンパスだけではない。本誌が追及した疑惑の中国系3社の株価も、連られて急落したが、知らん顔FACTA online => http://bit.ly/w5cqLF

新・証券市場〈2011〉

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